金具がない審美性の高い入れ歯
【ノンメタルクラスプデンチャー(ノンクラスプデンチャー)】
特徴
クラスプ(金属の金具)がない審美性の高い入れ歯です。耐久性があり水分を吸収しにくい素材のため、臭いや汚れにも強く衛生的です。
一般的な部分入れ歯は「クラスプ」と呼ばれる金属のアームを残っている歯に引っ掛けることで入れ歯を安定させます。そのため特に前歯の入れ歯は金属が目立ちやすいといった審美性の問題が生じます。
それに比べて、ノンメタルクラスプデンチャー(ノンクラスプデンチャー)は金属を使用せず、樹脂製のアームで歯と歯ぐきを包み込みこむことで入れ歯を安定させます。歯や歯ぐきと一体感のある自然な色調であるため口元に馴染みやすく、入れ歯を装着していることに気づかれにくい特徴があります。
素材
国内では主にポリアミド樹脂製とポリカーボネイト樹脂製の2タイプのノンメタルクラスプデンチャー(ノンクラスプデンチャー)が流通しています。使用する樹脂によってそれぞれ特徴が異なります。
ポリアミド樹脂ポリアミド樹脂は柔らかく破折しくにいのが特徴です。床(歯ぐきの部分)の厚みを薄くできるため、装着時の違和感が少なく使用できます。特殊な樹脂を使用しているため修理が困難です。万が一入れ歯が壊れた場合は、修理が完了するまで数日かかる場合もあります。
ポリカーボネイト樹脂耐久性があり衝撃に強く壊れにくいのが特徴です。硬くて丈夫な分、柔軟性が少ないためポリアミド樹脂製のノンメタルクラスプデンチャー(ノンクラスプデンチャー)と比べると適応範囲が狭いです。
メリット
- 金属の金具がないので審美性が高い
- 壊れにくくて丈夫
- 金属アレルギーの方も安心して使用できる
- 水分をほとんど吸収しないので臭いや汚れに強い
留意点
- 入れ歯が壊れた場合、修理に時間を要する場合がある
- 天然の歯に比べて噛む機能は高くない
- 残存歯(残っている歯)の状態によっては適応しない場合がある
監修ドクター
岡山大学 医歯薬学総合研究科
医歯薬学総合研究科・生体材料学分野
医歯薬学総合研究科・生体材料学分野
松本 卓也 教授