入れ歯Q&A
入れ歯の治療に関する質問
- 入れ歯の素材は?
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一般的な保険の入れ歯の場合、人工歯[じんこうし]と呼ばれる歯の部分と、床[しょう]と呼ばれる歯ぐきの部分でできています。部分入れ歯の場合は、入れ歯を支えるバネと金属のフレームが加わります。
歯と床は主にレジン(プラスチック)でできています。入れ歯のフレームやバネにはコバルトクロム合金、金銀パラジウム合金、チタン合金や金合金という金属が使用されています。
なお自由診療の入れ歯の場合は歯科医師と相談の上、入れ歯の種類に応じて使用する素材を選択できます。 - 入れ歯が口に入るまでどのくらいかかりますか?
- 保険適応の場合、一般的には約5回程度の来院の後、2週間程度の作製時間がかかります。入れ歯の種類やお口の状況によって異なります。なお、入れ歯装着後の調整は必須です。
- 入れ歯を始める年齢はありますか?
- 入れ歯には年齢の制限はありません。どなたでもご使用いただけます。歯を失ってお悩みになった時が入れ歯を考えるタイミングです。
- 入れ歯の種類は?
- 大きな分類では、部分入れ歯と総入れ歯に分かれます。入れ歯の種類には、保険適用の範囲で作製する入れ歯をはじめ、自由診療ではコーヌスクローネ、インプラントオーバーデンチャーなどがあります。
- 入れ歯と差し歯の違いは?
- 固定する仕組みが異なります。差し歯は自分の歯を土台とし、被せ物をするので取り外しができません。入れ歯は残された歯にバネをかけて欠損部分を補うため自由に取り外しができます。
- 入れ歯の食事制限はありますか?
- 基本的に食事の制限はありませんが、天然の歯と比べて噛む力が劣ります。入れ歯の装着に慣れるまでは硬い食べ物や噛み切りにくい食べ物は避けて徐々に慣れていきましょう。
- 入れ歯の歯や歯茎の色や大きさって変えられる?
- 保険の入れ歯も自由診療の入れ歯も、歯や歯ぐきの色や大きさはある程度は変えられますが、保険の入れ歯は保険制度の範囲内で使用できる素材が制限されているため、設計上難しい場合もあります。一方で自由診療の場合は材料の制限がほとんどないので、患者さんの希望に沿った歯の大きさや歯の色に近づけることが可能です。まずは自分の希望を歯科医師や歯科技工士に相談してみましょう。
- 部分入れ歯のバネはどこにかかるの?
- 小さなタイプの部分入れ歯の場合は欠損している隣りの歯にバネをかけることが多いのですが、支えの歯の状態によっても異なります。基本的にリスクの少ない歯を用います。また、入れ歯の面積が大きい場合や、飛び石のように多数の歯が欠損している場合は、複数の歯にバネをかける場合があります。
- 入れ歯以外の治療方法は?
- 入れ歯以外の選択肢として、インプラントやブリッジによる治療があります。
- 入れ歯の製作日数は?
- 保険の範囲内で作成する一般的な入れ歯の場合は約2週間程度で仕上がります。来院回数や入れ歯の種類によって作製日数は異なります。
- 保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いは?
- 保険の入れ歯と自費の入れ歯では使用する素材が異なります。保険の入れ歯は保険制度の範囲内で使用できる素材が制限されています。一方で自費の入れ歯は素材の制限がなく、個人の要望に応じたオーダーメイドの入れ歯を自由に作ることができます。こだわりの材料で時間をかけて作成するため、保険の入れ歯と比較して制作に時間がかかる傾向があります。
- 部分入れ歯は歯をけずる?
- 「レスト」と呼ばれる小さなくぼみをつくるため歯を削る場合があります。バネのかかる歯にくぼみを作り部分入れ歯を固定し安定を図ります。
- 入れ歯が入るまでの通院日数は?
- 入れ歯の大きさや、お口の状態により異なりますが、保険診療の場合は5回程度の来院が必要です。
- 入れ歯ってどうやってできるの?
- 入れ歯の完成には主に5つのステップがあります。初診検査、印象採得(型採り)・噛み合わせの高さのチェック・人工歯の排列試適・完成調整などを経て入れ歯が仕上がります。 歯科医師と歯科技工士の共同作業になります。
- 入れ歯とブリッジの違いは?
- 歯を固定させる方法に違いがあります。ブリッジは欠損している箇所の両隣の歯を削り、連結された一連の歯を入れて固定させます。そのため、自分では取り外しができません。
- 入れ歯とインプラントの違いは?
- インプラントは外科手術により、失った歯の代わりとなる人工の歯根(インプラント体)を埋め入れ、その上に被せ物を入れ固定させます。そのため、自分では取り外しができません。
- 入れ歯をつけなかったらどうなるの?
- 入れ歯を入れず歯が抜けたままでいると、隣り合った歯が移動し噛み合わせに影響が出る場合があります。 また、「噛む」という行動が衰えると脳への刺激が伝わりにくくなることで、認知症の発症に影響してくる可能性があるほか、消化器系の負担が増加する傾向があります。
監修ドクター
稲葉歯科医院(東京都新宿区)
稲葉 智弘 院長先生